土用は消化器の機能と関連があるということを前回のブログで紹介しました。
東洋医学においては、
季節と臓器のかかわりも重要視しています。
春は、「肝」と「胆」、
夏は「心」と「小腸」、
土用の時期は消化器全般と捉えていますが、
厳密には「脾」と「胃」に関係があります。
土用と『脾』については、
黄帝内経素問という、
2000年以上前に編纂された東洋医学のバイブルといわれる本の太陰陽明論篇に以下のように記されています。
脾なる者は土なり。
中央を治め、常に四時を以て四臓に長たり。
各(おの)おの十八日もて奇治し、
独りは時を主ることを得ざるなり。
脾臓なる者は、常に胃土の精を著(あきら)むるなり。
土なる者は、万物を生じて天地に法(のっと)る。
故に上下して頭足に至るも、時を主ることを得ざるなり。
とあります。
訳≫)
『脾』は五行に中の土に属し、中央に位置しています。
四季に応じてその他の四臓の長として主り、
各季節の終わりの十八日間に寄生する形で旺盛となりますが、
単独で一つの季節を主ることはできません。
『脾』の働きは、常に胃土の水穀の精華を転輸することです。
土という者の意味は、万物を生じ養うことにあり、
天地が一切の生物を養うのと同様に、その働きがなくなることはありません。
そこで『脾』は上から下まで、頭から足まで、水穀の精気を全身に輸送するのであり、
一つの季節だけに旺盛というわけにはいかないのです。
簡単に言えば、『脾』は土のようにすべてのものを生じさせ養うので、
常に栄養を身体にくまなく運ぶのだと、『脾』は土用の時期に活発になるのだと言っているのです。
『脾』は非常に大事で、四臓の中でも脾を一番中心に、
お腹の真ん中に配置されているだと言っているのです。
『脾』がうまく機能しなければ、
全身に影響が出ますよということなんです。
『脾胃』が身体の真ん中にあるんだと意識をするだけでも、養生の第一歩です。